レーザーでのシミ取り
レーザーを受ければ短期間でシミを除去することができますが、痛みを伴いますし、後にかさぶたとなって剥がれ落ちるまで数週間、ガーゼや絆創膏を貼り続けなければいけません。
その状態で、誰かと会うとか、外出するのには勇気が要りますよね。
美白有効成分が配合されたクリームでお手入れをすれば、目立つことなく、自然にシミをセルフケアできます。
シミの悩みを解消できる成分として、厚生労働省が認可しているおよそ20種類の美白有効成分があり、アルブチン・コウジ酸・ビタミンC誘導体・トラネキサム酸など聞いたことがある成分がそうです。
上記のような美白有効成分に指定されている中で、肌の漂白剤と言われるほど効果が期待できるのがハイドロキノンです。
シミを薄くする効果がある成分って何?
「自宅でお金を掛けずにシミ取りができるクリームがあれば使ってみたい」と思い、どんな成分がシミを薄くするのに有効なのか調べてみたら、
- 新しいシミを予防する
- 今あるシミを薄くする
という、2つのタイプがあることが分かりました。
新しいシミを予防する成分
メラニン生成抑制:メラニンを作らせないように働くことで、シミを予防する。
- トラネキサム酸
メラニンを作るメラノサイトの働きを活性化させるプラスミンなど、蛋白分解酵素の働きを抑えることでメラニンの生成を抑制する。
- アルブチン
メラニンを黒色化させるチロシナーゼの働きを阻害し、メラニンの生成を抑制する。β-アルプチンとα-アルブチンの2種類があり、α-アルブチンは「ハイドロキノン誘導体」と呼ばれることもあり、β-アルブチンに比べて効果が10倍以上あると言われています。
- コウジ酸
麹菌が作る発酵代謝物。チロシナーゼの活性や合成を阻害しシミを予防する。低刺激で副作用がほとんどない。
- ビタミンC誘導体
美肌効果の高いビタミンCを肌へ浸透しやすく改良したもの。チロシナーゼの働きを阻害しシミを予防する。皮脂の分泌を抑え炎症を抑える働きがあるためニキビ予防の効果もある。
- プラセンタエキス
牛・豚・馬など動物の胎盤から抽出され、保湿効果が高く肌のターンオーバーを整えシミを予防する。
今あるシミを薄くする成分
メラニン還元作用:メラニン色素を還元することで、シミを薄くする。
- ビタミンC誘導体
黒色化したメラニンの色を薄くする。
- ハイドロキノン
強力な還元作用があり、シミを薄くする効果が高い。
メラニン排出作用:ターンオーバーを促進してメラニンを排出することで、シミを薄くする。
- エナジーシグナルAMP
肌を作り出す母細胞の代謝を高めてターンオーバーを促し、メラニンの排出を促進させる。大塚製薬が開発した独自の医薬部外品有効成分。
- リノール酸S
リノール酸の美白効果を高めた成分で、メラニンを作るチロシナーゼを分解しシミを薄くする。
肌の漂白剤と呼ばれるハイドロキノン
出来たしまったシミを薄くすることができる成分がハイドロキノンで、一般的な化粧品に含まれる成分の約100倍ものパワーがあると言われています。
シミを薄くするために使われている成分だから、即効性があるけど強力な成分なため、濃度が高くなると使い方には注意が必要になってきます。
シミの改善や予防に期待出来るハイドロキノンの特徴や効果、注意することについてお伝えします。
シミを薄くすることができる
シミの原因であるメラニンは、酸化を繰り返して茶褐色(シミの色)になっていきますが、ハイドロキノンには酸化したメラニンを元に戻す作用(還元)があります。
つまり、ハイドロキノンにはメラニンを取り除き、シミを薄くする効果が期待できるということです。
ハイドロキノンの特徴①
- メラニン色素を薄くする
- 酸化を繰り返して茶褐色になったメラニンを、無色の状態に戻すことが出来る。
- 結果、シミの色を薄くすることが可能。
ハイドロキノンが有効なのは以下のようなシミです。
- 老人性色素班・・・紫外線や加齢が原因で出来るシミ
- そばかす・・・紫外線や遺伝が原因で出来るシミ
- 炎症性色素沈着・・・ニキビなど炎症後に出来るシミ
- 肝斑・・・頬や額などに現れるシミ
ハイドロキノンが有効なのは表皮のシミで、皮膚の奥にある青みを帯びたシミを取り除くことは出来ません。
新しいシミを予防する効果
メラニン色素は元々無色透明ですが、チロシナーゼがチロシンを酸化させることにより茶褐色に変化します。
シミが出来る過程
- 紫外線や刺激を受ける
- メラノサイトに司令が下る
- チロシナーゼ酵素が活性化する
- チロシンを酸化させる
- 茶褐色のメラニン色素になる
- 蓄積されるとシミが残る
ハイドロキノンには
- メラニン生成時に働く酵素「チロシナーゼ」(茶褐色のメラニンに変化する)を抑制する力があるため、色素の沈着を抑え、新しいシミを作らせません。
- また、メラニン色素を生成する細胞「メラノサイト」の活動を抑制するほか「メラノサイト」自体を減少させる働きがあります。
そのため、シミを予防する効果が高いのです。
ハイドロキノンの特徴②
- 新たなシミを作らせない
- シミを作り出す過程で、メラニンが茶褐色に変化するのを抑える。
- メラニンを作り出す細胞「メラノサイト」の働きを停止させたり、「メラノサイト」そのものを減らしたりする。
肌が白くなるって聞いたことがあるけど・・
白斑とは
部分的に皮膚の色素が抜けて白くなること。
次のようなときは、メラノサイトの働きが止まって白抜けする恐れがあるので注意が必要です。
注意ポイント
- 10%以上の高濃度ハイドロキノンを使用した場合。
- ハイドロキノンを長期間使用し続けた場合。
- 誤った使い方をした場合。
一般的な化粧品は、ハイドロキノンの配合濃度は2%以内、皮膚科などで処方されるハイドロキノンの配合濃度は5%程度です。
5%程度の濃度になると、赤みやかゆみを感じることがあるので、事前にパッチテストを行い、肌に異常がでないか確認してから使います。
ハイドロキノンの種類
ハイドロキノンと言っても、何種類かあり、肌へのアプローチが異なります。
ハイドロキノン
シミの原因であるメラニン色素の合成を阻止する働きがあり、肌の漂白剤と言われるほど、強力な働きを持っています。
美白効果のあるコウジ酸やアルブチンの10倍から100倍の効果があると言われています。
酸素・光・温度・時間などの影響を受けやすく、酸化して黄色く変色すると効果が落ちます。
安定化ハイドロキノン
ハイドロキノンを安定化させたもので酸化や変色が起こりにくく、低刺激で安定して使えるように改良されたものです。
ハイドロキノンに他の成分を配合しているため、配合濃度が下がり効果も劣りますが、化粧品などに配合しやすくなりました。
ハイドロキノン誘導体
誘導体とは、ハイドロキノンに、ある物質を結合させて薄めたもので、ハイドロキノンよりも刺激を低くして安全性を高めたものになります。
メラニン色素を除去する働きもあるけど、シミ予防の働きが主になります。
まとめ
ハイドロキノンは、メラニン色素の生成によってできるシミに対して
- メラニン色素を作る働きを抑え
- メラニン色素を漂白する作用で
肌の悩みをクリアにして、化粧を薄くしても大丈夫な肌を手に入れることができます。
化粧品に含まれているハイドロキノンは、低刺激で酸化しにくい安定したものが使われていますが、それでも赤みや腫れが出るなど体質に合わないことがあるので注意が必要です。
シミを消したいなら、安定化ハイドロキノンが配合されているものがおすすめ!
美白ケアのポイント
- シミだけに塗る
- 朝と夜に塗る
- 朝塗ったあとは必ず日焼け止めを塗ること!!(※ハイドロキノンを塗って日焼けするとシミが濃くなることがあるため)
- 長期間使い続けると効果が薄れるため、1~3ヶ月間だけ使う